犬の正しい叱り方とは

しつけ

犬と生活する上で避けて通れないのがしつけです。しつけをする上で最も悩ましい問題が叱り方です。皆さんはどのようにされていますか。よいと思ってやっていたやり方を見直すためにもまとめてみました。

犬の叱り方には注意が必要

犬がいけないことをした時に叱って、それがいけないことだと教えようとします。しかし、人間とは脳の構造が違う犬には、そもそも善悪という概念がありません。言葉で説明してもその意味を理解することはできないのです。

そのため、

犬にはやってはいけない行いをやめさせる、

というよりは

よい行いをさせる

という方向性でしつけをすることが大事になります。

例えば、子犬にトイレのしつけをする場合、粗相をしたことをいけないと叱るより、決まった場所で排泄することが良い行いであることを教え、それを習慣にしてしまえば、トイレ以外の場所で排泄することはなくなります。

また、無駄吠えに関しても、吠えることがいけないと叱るより、吠える必要がないことを教え、それを習慣にしてしまうといった具合です。

それならば「犬を叱る必要はないのか」と思う方もおられるでしょう。
しかし、そうではありません。

叱るとは、犬に対して正しいこととやってはいけないことを教えることを指します。一方、怒るとは、イライラや怒りなどの飼い主さんの感情を犬にぶつけてしまうことです。犬が悪いことをした場合、飼い主さんとしては感情的になることもあるでしょう。しかし、怒りを感情のままに犬にぶつけるのはしつけの面では逆効果です。

犬の叱り方を間違えるとどうなるのか

トラウマになる

犬にとって刺激となるほどの嫌な経験をした場合、犬は学習を通り越して嫌な記憶のみが残ってしまいます。誤った叱り方をすることで、犬はなぜ叱られているのかを理解できないだけでなく、犬にとってトラウマとして記憶に残る可能性があります。トラウマを取り除くのはとても難しいことです。

飼い主さんにおびえたり不信感を持つようになる

誤った叱り方によって犬との信頼関係が崩れてしまうこともあります。普段からとてもよい関係を築いているのであれば、一度誤った叱り方をしたくらいで信頼関係は崩れません。

普段から犬に対して怒鳴りつけるなど、誤った叱り方をしている場合、犬にとって飼い主さんは嫌な存在になります。誤った叱り方が、犬が飼い主さんにおびえたり不信感をいだいたりする原因となる可能性もあるでしょう。

叱られたことを理解せず同じことを繰り返す

誤った叱り方では、犬に間違ったことを教えられません。その場の感情だけで怒るなどの誤った叱り方をしても、犬は理解できないでしょう。その場はやってほしくないことを止めれたとしてもまた同じことを繰り返し、状況がさらに悪化する場合もあります。

犬の正しい叱り方

短い単語で叱る

犬は人間の話している内容をすべて理解できるわけではありません。犬にも伝わりやすく、理解しやすい言葉で叱るようにしましょう。「ダメ」「ノー」など、短い言葉を低い声で言うことがポイントです。犬が怒っているときの唸り声と同じトーンで叱ることで、犬も叱られていると理解できます。

犬にプレッシャーをかけるために、飼い主さんは立ったまま見下ろして叱るようにしましょう。

無視する

犬が悪いことやいたずらをするときは、飼い主さんに構ってほしいときです。悪さやいたずらに対して叱ってしまうと、「構ってもらっている」と誤学習してしまうため、無視が効果的です。

無視をする場合は、犬に話しかけない・触らない・目を合わせないようにします。飼い主さんだけでなく、その場にいる人全員も同じように犬の相手をしないようにしましょう。時間としては15〜30分程度を目安にしてください。犬がしょんぼりしたり、構って欲しそうにしても無視をします。時間が経ったら命令をひとつだし、うまくできたらたくさん褒めてあげてください。それで無視をするのを終わりにしましょう。

感情任せにならないことを意識する

感情まかせに叱ってしまうと、犬はなぜ叱られたのか理解できないためしつけになりません。イライラする気持ちを抑えて、冷静に叱るよう心がけましょう。

叱る強さを調整する

叱る強さは、強すぎても弱すぎても効果がありません。犬の様子を確認しながら適度な強さで叱りましょう。

耳が後ろに大きく垂れ下がっている、震えている時には強すぎています。

平然としているときは弱すぎています。

目安としては、適度にアイコンタクトをしたり、少し尻尾を振っていたりする状態です。

犬種によっても叱る強さを調節する必要があります。チワワやトイプードルなどの小型犬は、ストレスで体調不良になってしまうため、叱り過ぎには注意してください。テリア系の犬は叱られても平然としているため、少し強めに叱ると効果がみられるかと思います。

繰り返し叱る

同じ行動を繰り返した場合でも、諦めずにその都度繰り返し叱るようにしましょう。繰り返すことで犬はやってはいけないことを早く学習できるようになります。犬の行動をよく観察し、やって欲しくないことをしたらすぐに叱り、繰り返し叱ることを意識していきましょう。

叱ったあとは褒める

犬が悪いことをすれば叱る必要がありますが、必ず最後は褒めて終わるようにしましょう。叱った後には命令や指示を出し、うまくできたら褒めてあげます。叱ったことでトイレがうまくできるようになったなど、結果ができた時もたくさん褒めてあげてください。

褒めることで、犬は叱られて嫌な気持ちになっているところから気分転換になります。飼い主さんとの仲直りにもなるため、信頼関係を保つことができます。

褒め方のコツ

しつけや指示がうまくできた時は、大げさに褒めてあげましょう。飼い主さんが大きくリアクションして褒めることで、犬は自分が褒められていると認識します。大きな声で褒めたり、子供や赤ちゃんに話しかける時のように高い声で褒めると効果的です。ご褒美としておやつをあげるのもよいでしょう。

犬のしつけで絶対してはいけないこと

マズルをつかんで叱る

犬のマズルをつかんで叱ると、犬は大きな恐怖を覚えてしまいます。また、犬自身の舌を挟んでしまい、痛みによる自己防衛から飼い主さんを攻撃してしまう可能性もあります。

体罰を加えて叱る

体罰はどんなことがあってもいけません。叩く、蹴るなどの体罰は、しつけに必要ないことがほとんどです。恐怖心を与え、信頼関係が崩れる原因になります。叩くふり、蹴るふりも体罰と同等です。絶対にやめましょう。

愛犬の名前を呼びながら叱る

犬は人間の言葉を理解できません。実際に犬が経験したことと言葉を結びつけて理解します。

愛犬の名前を呼びながら叱ってしまうと、名前を嫌なこと、叱られる前触れだと誤認識してしまうためです。

愛犬の名前は叱る時などのネガティブな時ではなく、褒めたり遊んでる時などのポジティブな時に呼ぶようにしましょう。

必要以上に叱る

犬に大きなストレスがかかり体調不良になったり、信頼関係が悪化します。必要以上に叱るのはやめましょう。

あまり自分では解決できそうにない場合は、しつけ教室などに通ってみてもいいでしょう。

犬を叱るだけが方法じゃない

  叱る前に犬の体調を確認する

愛犬が粗相など、いつもは失敗しないようなことをした時は、体調が良くない可能性があります。叱る前に、体調が悪くないか、様子がおかしくないかを確認しましょう。

  犬のいたずらの原因をつきとめる

犬がいたずらした場合は必ず原因があります。叱る前に、なぜ犬はこんなことをしたのか考えてみましょう。その原因が飼い主さん側にある場合もあります。触って欲しくないものは犬の届かない場所に移動するなど、いたずらをできない工夫をするのも重要です。

  犬が叱られないように工夫をする

犬が叱られないようにサポートしてあげることも大切です。

粗相しないようにトイレは常に清潔にしてあげる

甘噛みしないよう噛めるおもちゃを用意しておく

など準備をしてあげましょう。ストレスを発散させるための運動や遊びの時間を増やすのも有効です。

叱るだけでなく、たくさん褒めてあげて、

犬と楽しく過ごせるようにしたいですね(^^)

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ふむふむなるほどね

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